
矯正は大人になってからでも可能ですが、子どもの時期から行うと負担が少なく、より理想的な治療ができる確率は高くなります。
乳歯が残っている小児期は顎顔面が大きく発育する時期でもあります。
この成長力を利用して顎や歯列を拡大し、 上下顎のズレを改善してゆきます。
また呼吸、嚥下、発音の状態を診査して歯並びに影響する口腔習癖の改善、筋機能訓練などを行います。
装置はムーシールドなどの取り外し型を使用し、ゆっくり時間をかけて顎の成長に合わせながら歯を移動させます。
また、できるだけ歯を抜かない方向で治療を考えます。

ムーシールドなどの装置(取り外し型装置)

ムーシールド装着

治療途中
現在、成長発育を正確に予測する技術はまだなく、治療結果を観察しながら矯正治療を進めていきます。この様な矯正治療を、I期治療、早期治療、咬合誘導などと呼んでいます。
そして、顎の成長が終わりに近づく頃に検査を行い、 I期治療で終了するか、最新の装置デーモン・システムによるII期治療に進むかをご相談します。
症例その1
男児/下顎が大きく右にずれて咬んでいる
<T期治療のみで終了しました>
治療前 ― 7歳6ヶ月
治療中 ― 8歳10ヶ月 上下顎の拡大(取り外し型装置で治療
観察中 ― 11歳3ヶ月 以後、装置は使用していません
観察中 ― 12歳6ヶ月
症例その2
女児/前歯で噛めない、舌の癖がある
<T期治療と前歯の部分的矯正治療で終了しました>
治療前 ― 7歳8ヶ月
治療中 ― 7歳11ヶ月 上顎の拡大と舌のトレーニング(取り外し型装置で治療)
観察中 ― 9歳10ヶ月 永久歯の生え変わりを観察中(装置は使用していない)
治療中 ― 10歳9ヶ月 上の前歯だけ装置を着ける(固定式装置で治療)
治療後 ― 13歳0ヶ月